どうして川は緑色?

 

わたしたちのくらしの身近にあるゆったりとした流れの川。

それらの川は、〝緑色〟をしています。

 

こんにちは。

SNAIL VISION  Nature Healing Trip

ガイドのツムリンです。

 

山を流れる浅くて幅も狭い川は、まさに生まれたての水であり、冷たく無色透明で、この水で顔を洗うと本当に気持ちがよく、山行の疲れも一発で吹っ飛ぶものです。

では、よく見る川は、単に汚れているから緑色に見えるのでしょうか。

天気や時間帯によっても川の色が違うのはどうしてだろう?

実は、これは太陽光線植物プランクトンの影響で緑色に見えるのです。

一般的に水自体は無色透明ですが、川では水の深さによって、人の見える光(可視光線)の入る量及び錯乱量が違います。

水面での光線反射量が少ないと水中の景観が観察されますが、反対に多くなると白く光って見えます。また、水深がある程度深くなると人の見える光(可視光線)が水中に侵入し、赤色系は水に吸収され青色系が錯乱して、緑から青く見えてきます。

もうひとつは、流れがゆるやかな川では有機物(酸素、炭素、窒素の化合物)が多くなり、それを食べる植物プランクトンが大量に発生します。一番多くなる季節は夏。そう、今なんです。植物プランクトンは体内に葉緑体を持っているので緑の光は反射し、青い光は吸収されるため、緑の光が増え、水も緑に見えるのです。

以上の要素が重なり、川が緑色に見えているんですね。植物プランクトンが多いというのは言い方を変えると、養分たっぷりという事です。しかし、これも一定量を越すと水の中の酸素が減少したり太陽光が届かなくなったりして、生態系のバランスが崩れ、魚の大量死や水草が育たないなどの状態を引き起こすこともあります。

自然界は常に変化しつつも絶妙なバランスで共存構成され、和を成しているのです。

 

〝緑色をした川〟と、〝水質が汚染された川〟は、また少し内容が異なります。それについてはまた次の機会に。